理事長の言葉

   本学園は故常見ろく先生が、明治時代の代表的裁縫教育指導者で東京家政大学創立者である渡辺辰五郎先生から教えをうけ、旧太田町に大正3年(1914)「常見裁縫伝習所」を創立したのがそのはじまりであります。
   以来92年、校訓として「質実勤勉」を挙げ、それと同時に社会の形成に貢献できる調和のとれた人材の要請に応える教育をすることを目標としてきました。
   創立以来の学園経営は、太平洋戦争と戦後の混乱期をよく耐え抜き、昭和23年(1948)の学生改革を期に常磐高等女学校から「常磐高等学校」に改組いたしました。そして昭和52年5月の創立以来、5度目の市内飯塚町への校地移転の時から男女共学といたしました。高校には普通科の中に特別進学コース、体育コース、総合コースが設けられております。
   高等学校生徒の年齢は10代後半であり、人生を一本の大樹にたとえるなら、その樹を支える幹に相当する部分、精神的にも肉体的にも人生の幹年代と言えます。この時期にこそ校訓の質実にして勤勉な人格の形成が大変大事なものと考えております。勉学やスポーツの向上に努力するあらゆる場面において、飾りけなく真面目に一生懸命励むことをしっかりと身につけることが、その人個人の今後の生活にとって大事であるばかりでなく、そうした習慣、性格によって培われた人格をもった人物が育ってゆくことが、日本の将来のためにも是非必要であるという信念で教育に当たっております。
   幸い卒業後の進路実績でも、在学中のスポーツ記録でも校訓にもとづいた全校あげての努力の結果着実な成果をあげております。
   平成11年には太田市との「公私協力方式」により、「群馬松嶺福祉短期大学」を創設いたしました。いま日本の社会が直面していて解決を迫られている少子化と超高齢化の課題の中で、これに十分応えられる豊富な知識と技術を備えると同時に豊かな人間性をもった保育士と介護福祉士という国家資格をもった人材を育成することを教育理念としています。
   これも質実勤勉を旨として社会の要請に応える人間の育成をめざしてきた本学園創立の精神に合致するものです。
   児童福祉専攻では、次代を担う保育分野に基礎的知識と技術をもつと共に幼児の成長過程に合った保育のあり方を身につけた保育士を養成します。また福祉系短大の保育士として障害をもつ幼児の保育のあり方も習得させることもめざしています。
   介護福祉専攻では、福祉について正しい基礎的理解の上に高齢者や障害者の生活歴、環境や個性等を十分把握して細やかな人間的配慮のできる福祉専門職の育成を教育目標としています。創立以来歴史は浅いですが、各専攻の就職率や進学率は短大卒業生の平均をはるかに超えて両専攻平均で98%の実績をあげています。

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